爪白癬(爪みずむし)のレーザー治療について

爪白癬の治療

皮膚から入り込んだ白癬菌(=みずむしの原因菌)は爪の中に入り込んで増殖すると、通常のみずむし用の塗り薬では効果がありません。軽度の爪白癬では爪白癬用の特殊な塗り薬、厚みがあったり爪の根元に及んだりする爪白癬では内服薬による治療が必要になります。
しかし特殊な塗り薬でも効果は高くなく、内服薬は比較的高い効果が望めますが、肝臓に負担がかかることがあるため肝機能障害のある方は内服できません。
 
そこで、当院では爪白癬に効果のあるレーザー機器(ルニュラ・レーザー)を導入しました。(全国で10台ほど、北陸初導入)
これは635nmと405nmの2種類の波長の光を同時に照射することで爪の内部を殺菌し、さらに周辺の血流改善を促し、爪白癬の治療をするものです。治療方法は、機械のくぼんだ部分のプレート上に足を乗せ12分待つだけ、痛みも熱さも感じません。これを1〜2週間ごとに4回の治療を行い、初回治療から半年以上、爪が伸びてくるのを待ちます。

爪白癬の各種治療の比較
 

塗り薬による治療

(例:クレナフィン外用液)

内服薬による治療

(例:ネイリンカプセル)

ルニュラレーザー
実質治療期間 半年〜1年(1日1回塗布) 12週間(1日1カプセル内服) 4週間(週1回)
費用

1か月に1本として

半年で3割負担で14,000円程度

1年で3割負担で28,000円程度

内服中に必要な採血検査を含め

3割負担で25,000円程度

片足で1回10,000円×4回

(4回セットで35,000円)

両足で1回12,000円×4回

(4回セットで40,000円)

主な副作用 塗布部位の皮膚炎(5%前後) 肝機能障害(15%前後) 特になし

外用薬(クレナフィン外用液)による治療では、治療開始52週後の完全治癒率28.8%、ほぼ治癒を含めると35.9%(日本人、第III相試験)と報告されています。
 内服薬(ネイリンカプセル)による治療では、治療開始48週後の著効率(60%以上改善率)は83.1%(国内第III相試験)と報告されています。
ルニュラ・レーザーによる治療では、イギリスの109例の試験データでは治療開始48週後の完全治癒率が92%、アメリカの136例の試験データでは1年後に平均96%改善したと報告されています。
 
 

費用について

アメリカFDA承認の機器ですが、日本ではまだ保険適応のない治療のため、全額自己負担となります。
表にあるように、片足10,000円の治療を4回行いますが、4回セットで先払いいただくと35,000円になります。なお両足の治療になると1回12,000円、4回セットで40,000円になります。
 

治療スケジュールについて

初診時はまず顕微鏡検査による爪白癬の診断が必要です。その上で治療方針を相談します。保険適応の治療を開始する場合はそのまま処方になりますが、レーザー治療をする場合はレーザー治療の予約をとり、後日その時間に来院いただいて治療をすることになります。4回の治療が終わっても初回治療から3か月後、6か月後には来院いただき、治療効果の評価とその後の治療が必要かの判断が必要です。
 

Lunula Animation_US Rev 1 050218 from Erchonia Corporation on Vimeo.